09-10ワールド・カップ第3戦 カリ大会
 
配信日:12月15日
 
 
■12月11日(金)開催2日目 天候:曇りのち晴れ 気温31度

 今日2日目を迎えるワールド・カップ第3戦カリ大会。連日の雨の予報も見事に外れ、前日、初日と雨が降ることもなく、時折厳しい日が差したり、心地良い風が吹き抜けたりといった状況の中で大会は開催されている。昨日初日にはアクシデントがあり、こういったことは起こって欲しくはないが、更に大会が盛り上がることを期待したい。
場内の1コマ
場内の1コマ
   
   
 2日目の今日、日本勢はスプリントのみの出場。エントリーは33人。このうち昨日トラックの外に飛び出してしまったチェーチを含む2名が出走せず、31名での争いで、16名が本選出場となる。これを逃すと今日の日本勢は出番なし、という状態になってしまうことから、是非とも予選を突破してもらいたい。
 予選の200mフライング・タイムトライアル、脇本が3番目、新田が19番目での出走。脇本はケイリンに続きスプリントはワールド・カップ初出場。タイムは10秒647でこの時点で2位。新田もジュニア世界選手権以来というスプリント挑戦。前半の入りは5秒252(全体の14位)とやや出遅れたものの、後半を5秒223でまとめ、記録は10秒475。この時点で4位のタイム。脇本はこの時点で10位で残りは12人。最終的には新田が8位、脇本が15位で2人ともに本選進出を果たした。予選の最高タイムはコフィディスのシロー(フランス)で10秒042、フォルステマン(ドイツ)が10秒097で続いた。
      
   
   

 1回戦、まずは脇本、予選2位のタイムを出したフォルステマンとの対戦。予選のタイム差は0秒55。外からのスタートとなった脇本、スタート後、すぐに外から前へ出て、スプリントにしては早めのスピードでの走行。そのままピッチを上げて周回を重ねる。果敢に先行逃げ切りを図ろうとするが、フォルステマンもしっかりと脇本を追走。結果しっかりと脇本を捕えたフォルステマンが快勝。脇本は9位以下を決める1/4決勝Bへ。新田は予選9位だったコフィディスのムルダー(オランダ)との対戦。予選のタイム差も0秒001と全くなく期待したいところ。インからのスタートとなった新田、ムルダーの動きを見ながら前を行く。あと1周となるホーム・ストレッチからムルダーがスパート。新田は少し踏み遅れての追走となり、そのままムルダーに押し切られ、こちらも残念ながら1/4決勝B行きとなってしまった。

スプリントでスタートの脇本
スプリントでスタートの脇本
      
   
   
 1/4決勝B、まずは新田がウクライナのヴィノクロフとの対戦。内からスタートの新田が前を行き、ヴィノクロフを見ながらのレースとなる。なかなかスピードがあがらない中、最終の2コーナーから新田が踏み出す。ヴィノクロフとの差はある程度開いた後、縮まることなく、余裕を持っての新田の勝利で準決勝Bへ。
後ろをけん制する新田
後ろをけん制する新田
      
   
   
 脇本はカナダのヴェロースとの対戦。後ろからの攻めとなった脇本、残り1周半を切った3コーナーで巧みにインを突きそのまま先行。最後の3コーナーで並ばれ万事休すかというところ、インで踏ん張り直線へ最後は再度離してのゴールで2人ともにワールド・カップ初勝利で準決勝Bへ。
 その準決勝B、まずは新田がスペインのアロンソと。後ろからの体制だったが、残り1周前の4コーナーから一気のスパート、広がった差は縮まらない。最終4コーナーでアロンソはあきらめ、新田の決勝B行きが決定。
 続く脇本はマレーシアのモハマドと。前走同様後ろからとなり、これまた前走を再現するかのような、残り1周半を切った3コーナーで相手の内へ切れ込み先行。最後は3車身ほど離す快勝で、いわゆる勝ち上がりではないものの決勝Bは日本人同士の対決という嬉しい内容となった。
             
   
   
 そして決勝B。内に新田、外に脇本でのスタート。前の新田が脇本を見ながらの形となるが道中脇本が前をとり、先行する体制。これを新田が捲る展開となり、最後は新田に軍配。世界大会での経験、競輪での実績と格の違いを見せた。これで日本は9、10位。ケヴィン・シローはいたものの実績上位の選手が多数いなかった事実はあるが、今後に繋がる大きな経験となってくれると思いたい。 スプリント日本人対決は久し振り?
スプリント日本人対決は久し振り?
   
コメント(新田):「1回戦では久々のスプリントというのも影響したかもしれませんが、ギアを大きくしてちょっと踏み遅れたというのが・・・1回戦で負けてしまい、勝ち上がりから外れてしまったので正直悔しいです。でもその後ギアを下げて修正して、まあ、相手は弱いんですけど残り3本を勝ち上がれたのは良かったです。ただやはりハロンが・・・出す人はタイムを出してましたけど、僕のタイムで8位ですから、やはりハロンでもっと出せるような足づくりをしていかないとと思います。スプリントも今後いける時はいきたいと思いますが気持の比重は1kmですね。また頑張ります。」

コメント(脇本):「初めての世界の舞台でのスプリントでしたが、負け戦とはいえ、まさか2つも勝てると思っていなかったので、自分としては現時点では上出来だったと思います。他の競走を見ながら考えてやったことで結果が出たりしたので、その辺り、他のレーサーたちの走りが参考になりました。またこういった舞台で戦いたいのでまずはナショナル・チームの枠に入るのを目指して頑張っていきます。」
   
前に脇本後ろに新田
前に脇本後ろに新田
これも前進のひとつのきっかけとなって欲しい。
これも前進のひとつのきっかけとなって欲しい。
   
   
 決勝はそのコフィディスのシロー(フランス)と準決勝のドイツ対決でレヴィと1対1となった3本目で先着出来なかったものの相手の降格処分で決勝進出となったフォルステマン。今シーズン、ケイリンには出場せず、個人種目はスプリントに絞っているシローが貫録の2本奪取で予想通り順当に優勝した。
笑顔のシロー。メルボルンは今一つも実力者の調子があがってきた。
笑顔のシロー。メルボルンは
今一つも実力者の調子があがってきた。

   
   

 女子も男子同様参加メンバー的にはベストでないのは否めない。スプリント系の顔ぶれを見るとリトアニアのクルペカイテ、オランダのカニスが抜けて上位でこの2人が表彰台の1、2を独占し、次に来るのがキューバのグエラ辺りという感じ。今日は500mタイム・トライアルとチーム・スプリントが行われ、やはり昨日のスプリントに続き、500mは優勝クルペカイテ、2位カニス、3位グエラと同様の順位。チーム・スプリントではオランダが決勝でリトアニアを下して優勝した。

  明日最終日、日本チームはチーム・スプリントに出場する。
女子チーム・スプリント表彰の1コマ。
女子チーム・スプリント表彰の1コマ。


             
   
   


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