09-10ワールド・カップ第4戦 北京大会
配信日:1月26日
■1月22日(金)開催初日 天候:晴れ 気温-7度
いよいよ今季最後のワールド・カップ第4戦が中国・北京で開幕する。北京オリンピックの会場となった老山自行車館、ラオシャン・ヴェロドロームは北京の中心から西へ地下鉄に乗って30分ほど、そこから徒歩10分ほどに位置する。オリンピック時に仮設スタンドを含め5,000人を収容した競技場だが、今は仮設スタンドが取り払われ、雑然とした風景が広がる。昨日に比べて気温も低く、風が吹くとかなり寒い状況だ。
初日の今日は女子スプリント予選から始まり、そのスプリント、女子スクラッチ、女子個人追抜き、男子チーム・スプリント、男子個人追抜き、男子ポイント・レースが行われる。午前の10時半スタートの終了予定は午後10時前。ほぼ1日みっちりのスケジュールだ。
日本勢はまずはチーム・スプリントでの登場。エントリーは19チームで日本は5組目でフランスとの対戦となった。フランスは1走にティエリー・ジョレー、2走に最終戦にして今季ワールド・カップ初出場のグレゴリー・ボジェ、3走にミカエル・ダルメイダという布陣に対し、日本は1走成田和也、2走にワールド・カップ初出場の柴崎淳、3走に前回カリでは1走を務めた新田祐大で挑む。緊迫感あふれる中でのスタート。慣れていない影響が出たか、2走の柴崎が出遅れる形となってしまう。直前の合宿の様子、そして実績から17秒台が期待されていた1走の成田だったが、18秒030と17秒台にわずかに届かず全体の6位で第2走へと繋ぐ。立ち上がり2車身ほど立ち遅れてしまった柴崎は13秒638と全体の14位、この時点で31秒668と全体の10位で最終走者の新田へ。新田もいつもの調子になく、最後の1周は14秒019と全体の11位。トータルで45秒687と記録は冴えず、11位という結果に終わってしまった。対戦相手のフランス・チームは44秒593とフランスにしては平凡なタイムで3位決定戦へ進み、44秒638とタイムを落としたものの、モスコー・トラック・チームを下し3位となった。
仮設スタンドが外され殺風景な場内
レース前にローラーに乗る柴崎
緊張のスタート
成田がスタート
チーム・スプリント陣の走り
決勝戦は予選を44秒192とトップで通過した地元中国と44秒524で2位通過のチーム・ジャイコとの争い。1走のチェン・チャンソンが17秒890、2走のチャン・レイが12秒780、3走のチャン・ミャオが13秒567と繋いだ中国が44秒237と予選よりタイムを落としたものの1走にダニエル・エリス、2走にシェーン・パーキンス、3走にスコット・サンダーランド(全てオーストラリア)を配したチーム・ジャイコを下して優勝。特に2走目のチャン・レイの走り、タイムは素晴らしく、地元の 大きな歓声をうけることとなった。また、中国が更に力を付け、飛躍的に成長していることを改めて認識させられることとなった。
11位という結果に終わってしまった日本だったが、優勝した中国のタイムは決して出せないタイムではない。世界選手権では更に上のタイムでの争いとなるだけに、壁を破って、次の領域へと進んでいって欲しい。
コメント(成田):
「うーん。実力でしょう・・・ちょっとスタートでタイミングが早くてひっかかった感じになってしまって。直前の合宿でスタート台、マシンを使っての練習が出来なかったんでその影響が出ちゃったんですかねえ・・・最低でも17秒8は、と思っていたんですが・・・状態としては良い状態だったのに結果が出なかったので悔いが残るところです。自己ベスト、やれると思うし、やらないとダメですね。」
コメント(柴崎):
「初めてのワールド・カップ、初めての2走、んー勉強ですね。練習よりも千切れてしまいました・・・スタートで出遅れないようにまだまだ練習しないとダメですね。スタート台からのスタートに付いていく練習とか、やらなければならないことだらけです。」
コメント(新田):
「力が入らないまま終わってしまいました。全然ダメですね。いつまでもなんかモコモコした感じで・・・マンチェスターの時と同じギアだったんですが、あの時は楽に踏みながらどんどん回っていく、スピードがのっていく感じだったんですけど・・・また明日(1kmT.T.)頑張ります。」
もうひとつの日本選手の出場種目は男子ポイント・レース。今回盛一大がこの種目に出場する。UCIランキングで8位につけている日本は世界選手権の出場権に問題はないがどのような走りを見せてくれるのか。
予選の盛は1組目に登場。60周、15km、10周毎6回のスプリントで争われ16人中12人が決勝へと進む。第1スプリントのポイント争いには加わらなかった盛だったが、第2スプリントの近づいた残り43周から集団を飛び出す。盛のほか、ブシュコ(ポーランド)、チッコーネ(イタリア)、ポラテイコ(ウクライナ)、リ(マックス・サクセス・プロ・サイクリング、中国)の5人でのポイント争いとなり、盛はここで3位通過、2ポイントを獲得。スプリントが終わりスピードが緩む中、盛はスピードを落とさずそのまま逃げる。ブシュコも同様で2人で逃げる形。離れてチッコーネ、ポラテイコで、リは集団へと戻る。盛、ブシュコが差を詰める間に集団も2つに分かれる。残り35周となったところで2人が後方6人の集団を捕まえてラップ。残り32周ではその他の集団もこれに追い付き合計で10人がラップとなり20ポイント加算。ここで勝負あった形でその後は淡々とレースは流れ、盛は22ポイント、8位で予選通過となった。
コメント(盛):
「とりあえず4人落ちなんで、4人以上捕まえたとこでとりあえず終わりました。一緒に逃げたのが強いやつだったので良かったです。楽させてもらいました。」
攻める盛
決勝後リザルトを食い入る様に見る盛。何を・・・
続く決勝は120周、30km、10周毎の12回のスプリントでの戦い。初めの3つのスプリント戦には参戦しなかった盛だったが、残り83周となったところで先団に加わるも第4ポイントでのポイント奪取はならず。しかしその後の残り78周の時点で動きを見せ、これに加わったチッコーネ、スカリー(ニュージーランド)、ベル(カナダ)の4人で逃げる形となる。これをクナイスキー(フランス)が追いかけ、残り75周では5人となり、更に追ってきたワン(香港)、グラフ(オーストリア)もこれに加わる。第5スプリントでは5番手の位置から捲る形となり、結果3位通過で2ポイント獲得。そのまま7人での逃げが続くがスカリーとチッコーネの2人がペースを上げて先に行く形になる。残り66周でこの2人がラップ、少し遅れて残り64周で残りの5人がラップとなり、20ポイントを獲得となった。このあたり、ラップをしたものの、集団が2つに分かれる形となり、先を行く集団に先にラップした2人や有力選手がいるためそのまま追いかけねばならず、苦しい時間帯が続くこととなる。この後残り46周となったところで1人飛び出したトレント・タレス(スペイン)にクォック(ホンコン・プロ・サイクリング)が続き2人での逃げ。これをリ、エルショフ(ロコモーティブ)が追いかけ、既にラップしているベルも合流して5人となる。残り35周でこの5人がラップして20ポイント。ベルが他をリードする形となる。その後はスプリントでのポイント争いはあるものの、集団を飛び出してラップを狙うものは出てこない。第10スプリントで盛はポイント争いに加わり、3位通過で2ポイントを獲得。そのままスピードを落とさずに逃げるのかと思われたが誰も追ってくるものがおらず、逃げるのを断念。結局2ラップしたベルが50ポイントでそのまま優勝。ところどころでスパートをしてポイントを獲得し、ラップもしたクォックが38ポイントで2位。3位に36ポイントでスカリー。盛は24ポイントで9位という成績だった。中盤苦しい展開となったが、前半戦でラップし、優勝争いに加わっていただけに後半にもうワン・パンチ加わった走りを次の世界選手権では見せてもらいたい。
コメント(盛):
「んー、ダメだなあ。途中で後ろに下がってしまって展開が良く分からなかったのと行けなかったのが・・・カナダのやつが行ったの、分かんなかったんですよ。途中残り50周とかあの辺りはきつくて休むのもあって後ろにいたんですけど・・・色々対応できるようにせめて中団あたりにはいないといけないんですよね。やっぱり展開が分からなくなるケースもあるんでそこは指示が欲しいところですね。」
明日2日目は男子ケイリン、男子スクラッチ、男子1kmタイム・トライアルに日本選手が登場の予定。
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