最終の第9組で出走したトゥルナンはゴール後、自分のタイムを確認すると偉業を称える観客や仲間の声援に答える余裕もなくピット側に用意された酸素吸入用のストレッチャーに横たわった。
体の中の酸素をすべて使いきってしまったのだろう、真っ青な顔で何度も嘔吐を繰り返し、失った酸素を取り戻そうと激しく呼吸する。
何も喋ることのできない本人に代わって、興奮気味のカンタンコーチのコメント、「実は4ヶ月前から密かに狙ってたんだ。今日は風もなかったし最高のコンディ
ションだった。去年のメキシコ大会でも1秒台の好タイムを出していたし、昨年の会場よりここのほうが走路のコンディションも良いからね。最高の走りだった。」
表彰式は主役の回復を待って明日に順延された。
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