W杯マレーシア大会第3日/オリンピックスプリント銀!
記事・写真:白土 智一 特派員(ドイツ・デュッセルドルフ)

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2000年8月13日(日) 大会第3日 晴れ後雨 気温38度
 第1戦モスクワ、第2戦コロンビア、第3戦メキシコ、第4戦イタリアと続いたワールドカップも今回が最終戦。
その最終日となる大会第3日は日本チームの大活躍で幕を閉じた。
 本日の成績 
男子ポイントレース
優勝 G.トムソン(ニュージーランド) 17ポイント
第2位 J.ヘイニカイネン(フィンランド) -1周回 36ポイント
第3位 C.ピエルス(アメリカ) -1周回 33ポイント
第4位 飯島 誠(日 本) -1周回 8ポイント
 昨日20周で雨天中断となり今日に順延となった男子ポイントレースは大会の開始予定時刻を30分早めて午前9時30分からのスタート。

昨日の予行演習(中止時点で2位以内の順位)の影響で飯島誠へのマークは厳しく、なかなかスパートを許してもらえない。

「しきりなおしだったんで、気持ちをもう一回盛り上げるのが大変でした」と本人が語るように、前半は昨日と違い、抑え気味に競走を進める。
 「ペースが上がると思ったけど予想より牽制気味の展開」(飯島)だったが「保坂監督に言われたとおり思いっきり行った」と本人が語るように何度もスパートを試みる積極的な競走で遂にラップに成功。

ひとり2周をリードして優勝したニュージーランドのG.トムソンには追いつけ ないとみるや同一周回の3名の中でなんとか上位になるべくポイントをとる競走に切り替え、最終のダブルポイントラインでは2着6点を獲得するが他の2名には届かず4位入賞に終わった。

「今回250m走路で走れたのは勉強になりました。(4位入賞には)ちょっと満足です。オリンピックまでのあと1ヶ月は、前半は距離を乗り込んで、後半はスピード練習を中心に準備したいと思います」(飯島誠)と語りシドニーでの活躍を誓った。
 
女子500mタイムトライアル
優勝 M.キャサリン(ドイツ) 35秒793
第2位 C.ニベール(フランス) 36秒806
第3位 S.シルビア(ハンガリー) 37秒333
女子ポイントレース
優勝 F.ニューステッド(イギリス)
第2位 R.ギルモア(オーストラリア)
第3位 V.ナデダ(ロシアー)
第6位 森本 朱美(日本)
 オリンピック出場の決まった森本朱美がワールドカップ初出場。「練習のつもりで走った」と本人が言うように国際大会も250m走路も初めての経験であり、シドニーと同じ条件で競走の経験をすることが一番の目的ではあったが、午後3時スタートと暑さがピークの時間帯での競走にも係らず終始粘り強い競走を見せ、6位入賞を果たした。

「250m走路は問題無いです。強い選手が多かったので勉強になりました。日本だとラップするのは難しいのですが、がんばればできるということがわかって うれしかったです。とにかく完走できてよかったです。」(森本)
オリンピックスプリント
優勝 フランス(A.デュブレ、J.フブシュベリン、M.ブルガン) 46秒981
第2位 日 本(伊勢崎彰大、佐々木雄一、荒井崇博) 47秒244
第3位 ニュージーランド(T.カースウェル、A.ペデン、M.シントン) 48秒178
 予選を2位で通過した日本チームは1位通過のフランスチームとの決勝に進出。伊勢崎、佐々木、荒井の順でスタート。2番手まではフランスを上回るタイムだったがフランス3番手のA.デュブレ(初日1kmTTを1分3秒920で優勝)がフル加速、 0.3秒交わされ2位に終わった。
 伊勢崎「よかったです。(初日スプリントで失敗していたので)これで日本に帰れます。即席チームとしては良くできたと思う。予選の前は悪くても3・4位決定戦には乗ろうと他の二人と言っていたので決勝に乗れて満足です。ベストはつくせたと思います。」

荒井「伊勢崎、佐々木とコンビネーションがよくとれたと思います。」

佐々木「練習では2回とも千切れてたんですけど、本番ではうまくいきました。メンバーが軽かったとか条件はいろいろあるけど、とにかくワールドカップで銀メダルをとれたことがすごくうれしい。」
(写真提供:第5戦監督 保坂 晴稔)
ケイリン
 エントリー数の関係で、2着までが決勝進出となるケイリン1回戦。第2組で出場した荒井崇博は、スタートから序盤は終始最後尾で前段のようすをうかがう。

残り2周半で誘導が退避すると、他の選手のペースが緩んだ隙をついてカマシ先 行。そのまま2周半(750m)を逃げ切って堂々の決勝進出を果たした。

午後4時。オリンピックスプリント準優勝の表彰式を終えた荒井崇博がウォーミングアップを終えると、空からポツポツと嫌なものが落ちてくる。

来賓のペラ州の国王が競技場に到着するや、雨脚は更に強くなり、走路を流れるような雷雨となる。
 20分ほど待っても雨脚は弱まらずコミッセールによりケイリン決勝とマディソンの中止が発表された。
 今回の日本チームは、出場したすべての選手が6位以内に入賞するという素晴らしい成績で競技を終えた。

これでワールドカップはすべて終了し、国際大会は9月のシドニーオリンピック 10月末のマンチェスター世界選を残すのみとなった。

秋の陣での好成績を期待したい。

選手一覧 第1日目結果 第2日目結果