寬仁親王牌とは

寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントとは

 寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントの起源は、1990年8月にアジアでは初となる世界選手権自転車競技大会が前橋で開催されることを記念して、1990年5月に前橋競輪場で行われた「1990年世界選手権自転車競技日本大会特別記念レース」であった。同開催は、前年の12月に開催予定で中止となった「KEIRINグランプリ’89(立川)」に出場予定だった9選手による「スーパープロピストレーサー賞」をメインとして8レース制で開催され、S級4レース、A級2レース、外国人選手の対戦1レースが行われた。

 1991年の開催は、日本初の全天候型屋内競輪場であるグリーンドーム前橋で「1991年世界選手権自転車競技日本大会特別記念レース」が開催された。同開催は、1990年8月~1991年2月までの競走得点上位9選手による「スーパープロ・レース」をメインとして11レース制で開催され、特別選抜競走2レース、選抜4レース、A級3レース、外国人選手の対戦1レースが行われた。なお、1990年、1991年どちらの開催もすべて単発レースである。

 三笠宮寬仁親王殿下が本大会の名誉総裁を務められていたことから、1992年からは新たに賜牌を下賜され、「寬仁親王牌争奪・世界選手権記念トーナメント」に名称が変わり5月にグリーンドーム前橋で開催された。また、同開催を第1回開催とし、3日制で行われた。初日には「国際グランプリ」と「国際選抜」を含む12レースが行われ、「国際グランプリ」には国際競輪に出走中の外国人選手8名のうち上位4名と日本人選手5名が出走し、「国際選抜」には残りの外国人選手4名と日本人選手4名が出走した。また、これらに出走した日本人選手9名は2日目の準決勝に進み、外国人選手8名は同じく2日目に行われる外国人選手選抜レースに出走する。

 1993年第2回開催より4日制の開催となり、2日目のメインレースとして12レースに「ローズカップ」が新設された。同レースは、初日に行われる特選3レースの1~3着合計9名が出場し、出場者は3日目の準決勝へ進出する。1994年第3回から特別競輪等の運営方法の見直しにより4日制では初の特別競輪となり、【寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント】が誕生した。この開催からは現在の概定番組と同じ形で行われ、初日の「日本競輪選手会理事長杯」は世界選手権自転車競技大会や全日本プロ選手権自転車競技大会やワールドカップなどの成績を基準に9選手が選ばれるなど、自転車競技の成績を重視した選手選考が行われている。

 2001年4月に競輪の競走格付けにグレード制が導入されたことで、現在のようなGP、GI、GII、GIII、FI、FIIといった仕組みに変わり、第10回の開催から「寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」はGIに位置付けられ、現在の形となった。

~その他の変遷~

〇開催月
 1999年第8回~2015年第24回は7月に開催。
→世界選手権との日程調整のため10月から前倒しで開催されることとなった。

 2016年第25回~現在は10月に開催。
→2015年に行われた競輪最高会議で2016年度からの開催を7月から10月に変更することが決定。

〇開催場
・グリーンドーム前橋(1990年5月31日新装)
→1992年第1回~2000年第9回
 2002年第11回~2004年第13回
 2006年第15回~2008年第17回
 2010年第19回
 2016年第25回~2020年第29回
 2022年第31回
 2025年第34回

・青森競輪場
→2001年第10回
 2005年第14回
 2009年第18回

・弥彦競輪場
→2011年第20回~2015年第24回
 2021年第30回
 2023年第32回~2024年第33回