村上義弘 選手
村上義弘は昨年11月・全日本選抜のスタールビー賞で落車してからグランプリで凡走するなど精彩を欠いてしまっている。しかも、年明けの和歌山では失格とツキも無いような状況だ。しかし、その先行力は間違いなくナンバー1で、今開催で復活の狼煙を上げたいところだろう。幸い、近畿の名マーカーが顔を揃える今開催では、彼らの援護が望めるだけに、村上本来の力強さに溢れた逃走劇が見られる可能性は高い。
九州勢が磐石の布陣を敷く
荒井崇博 選手
小野俊之 選手
合志正臣 選手
加倉正義 選手
大塚健一郎 選手
西日本で最も充実しているのは、やはり九州地区だろう。先行・荒井崇博、グランプリ覇者の小野俊之を中心に自在型の合志正臣、位置取りシビアな加倉正義、大塚健一郎と揃っている。
小野は競輪祭・2次予選での落車の影響が心配されるところだが、持ち前の強い精神力で優勝戦線に食い込んでくるだろう。
九州の先行型の中心となりそうなのが、荒井崇博だ。ビッグレースの成績こそイマイチだがトップクラスとの対戦を重ねる度に着実に力を付けており、そろそろ本格化してきそうな気配さえしており、要注意だ。
大塚も小野譲りの厳しい捌きで好位を狙ってくることは間違いなく、大塚の動き次第で展開が一変する可能性すら秘めているだけに、警戒したい。
合志も自在戦を武器に安定した成績を残している。ただ、別府FI 以降欠場を続けており、その影響が心配される。
加倉は競輪祭で負け戦ながら目標選手をキッチリと差して2連勝を飾っており、調子そのものは問題無さそうだ。
台風の目・加藤慎平に注目
加藤慎平 選手
小嶋敬二 選手
山口富生 選手
中部勢では、連係実績豊富な小嶋敬二と山口富生ももちろん優勝候補の一角に挙げられるが、ここでは加藤慎平を最注目選手として挙げたい。
自在型に転向してからは、12月の岐阜記念優勝、競輪祭でも準優勝と目覚ましい活躍を見せ
ている。もはやトップクラスに匹敵するだけの実
市田佳寿浩選手
前田拓也 選手
力を秘めており、今開催も「台風の目」になれるかどうか、先行からイン粘りまでこなすその動向からは目が離せそうもない。
村上とともに近畿の屋台骨を支える市田佳寿浩は年明けの立川記念を鮮やかな捲りで制し勢いを付けた。競輪祭では精彩を欠いたが、それでも勝率32%、連対率46%(直近10場所)と好成績を維持している。初のビッグタイトル獲得に向けて万全の状態で臨んでくるはず。
昨年のビッグ戦線では影が薄かった前田拓也だが、今開催は村上、市田を始め、稲垣裕之や高城信雄といった積極性抜群の先行型にマークできる可能性が高く、持ち味の鋭い差し脚を発揮できれば勝機は十分にある。
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西王座戦のシリーズを占う
昨年はグランプリ出場を果たせなかった中部勢だが、競輪祭では3人が優出、今回も圧倒的な層の厚さを武器にシリーズの主導権を握ってくるだろう。
絶好調の加藤が優勝候補の一角に名乗りを挙げる
小嶋敬二 選手
出場選手99人のうち中部勢は31人と大所帯で、特選にも最多の9人が選ばれている。しかも小嶋敬二、金子貴志、吉田敏洋、加藤慎平、山内卓也と機動力の充実ぶりは相変わらずで、競輪祭の優出で勢いを取り戻した中部勢が今回も中心となる。
自在型に転向した加藤慎平が絶好調だ。昨年は優勝7回と勝ち星を量産、12月の岐阜記念では三宅達也―井上辰也―小倉竜二の4番手から小倉のインに差し込んで3番手を奪取、さらには番手捲りを打った井上をゴール前でとらえるという変化自在な走りで完全優勝を達成した。競輪祭では一躍優勝候補の一角におどりでて準優勝と勢いは止まらない。準決では逃げて2着と先行力も健在で、今回も優勝の最有力候補の1人といっていいだろう。
吉田敏洋も好調だ。昨年は高松宮記念杯、共同通信社杯、全日本選抜で優出して大きく成長した。競輪祭では準決で稲垣裕之と激しいモガきあいを演じて7着に敗れたが、初日特選は村上義弘の先行を8番手から捲りきっている。
小嶋敬二は競輪祭では二次予選敗退で連絡みなしに終わったが、12月の広島記念では初日特選と2日目優秀で捲りの2連勝、1月の立川記念では2日目優秀で逃げ切りと相変わらずのパワーを見せつけており、体調面での心配は無用だ。今回は不出場の山田裕仁の代わりに、ビッグレースの実績一番・小嶋が中部勢を引っ張っていく。
本調子でなくても村上の先行意欲に変わりはない
村上義弘 選手
市田佳寿浩 選手
落車の影響でグランプリでは不完全燃焼に終わった村上義弘だが、競輪祭も二次予選で4着と敗れて最終日を欠場している。ただ、末脚は甘かったが、初日特選も二次予選も主導権を取りきっており、万全の状態でなくても先行意欲は失っていない。昔から自力型が復調するには実戦で逃げるのが一番の良薬といわれている。村上が本来のパワーを取り戻すにはそれほど時間はかからないだろう。
市田佳寿浩が昨年から自在型に転向して好調だ。昨年は西王座戦とオールスターで優出、記念優勝が2回ある。今年も1月の立川記念で武田豊樹の先行を捲って優勝している。競輪祭では優出はならなかったが、準決は意表を突いた先行策で内林久徳の優出に貢献した。以前は市田と村上の2人は別線で戦うことが多かったが、競輪祭の初日特選では村上―市田の並びが実現しており、今後も近畿2強の動向に注目したい。
行きっぷりのよさでは村上を上回るものがあるといっていいのが高城信雄だ。昨年は寛仁親王牌と全日本選抜で優出、内林久徳の初タイトルに多いに貢献したのは記憶に新しい。競輪祭では二次予選で敗れたが、一次予選は逃げ切り、4日目特選は高城の先行に乗った阿部康雄が1着になっている。今回も高城の番手の選手が展開的に恵まれるシーンが必ず見られるだろう。
地元開催に燃える三宅達也
地元の中国勢は総勢9人の出場で、三宅達也と星島太の2人が特選に乗っている。
三宅達也が一躍注目されたのが昨年のふるさとダービー函館だ。一次予選で敗れているが、残り3走は捲りの3連発で3勝を挙げた。今年1月の広島FⅠでは金山栄治の先行を2角捲りでとらえ、後続を6車身も千切って圧勝している。三宅はイン粘りなどのヨコの捌きも得意で、全日本選抜の3日目特選では金子貴志の番手で粘り、富永益夫をどかして1着になっている。競輪祭での2度の落車が気になるが、今回は地元戦だけにあらゆる戦法を駆使して勝ち上がりを狙ってくる。
星島太 選手
三宅達也 選手
星島太は長らく低迷していたが、昨年の西王座戦での優出をきっかけに徐々に復調して鋭い差し脚が戻ってきた。競輪祭の二次予選では村上義弘―内林久徳の3番手から伸びて1着になっている。温厚な性格で位置取りに厳しいほうではないが、目標不在で他地区ラインの3番手を回っているときでも軽視できない存在だ。
復調著しい佐々木―小倉のゴールデンライン
小川圭二 選手
西王座戦は第1回目が高松、第2回目が小松島、第3回目が観音寺と四国地区で開催されてきたが、第1回目は徳島2人が優出、第2回目は徳島3人が優出、そして昨年は小川圭二が優勝と、地元・四国勢は層の薄さを固い結束力でカバーして健闘してきた。今回も中・四国で準地元地区での開催となるので、四国勢の活躍が期待できる。
佐々木則幸は昨年の競輪祭での準優勝のあとはひと息ついた状態が続いていたが、近況は先行主体で復調してきている。今年の競輪祭は準決で敗れてしまったが、2日目ダイヤモンドレースでは吉田敏洋の先行を8番手から捲り、6番手から先捲りした岡部芳幸のさらに上を難なく通過して1着、4日目特選では金子貴志や新田康仁を相手に先行して2着に粘り、小倉竜二とワンツーを決めている。
小倉竜二 選手
小倉竜二も復調気配だ。12月の伊東温泉記念では稲垣裕之の捲りを差して1年2カ月ぶりの優勝を飾り、その後の熊本、岐阜、立川の記念も連続で優出している。競輪祭では一次予選で落車してしまったが、3日目選抜と4日目特選で2勝しており落車の影響はない。今はまだ目標次第のレースが多いが、本格的に復調してくれば展開不問のゲリラ戦法で活路を開いてくるシーンも見られるようになる。
積極性の戻った中川誠一郎を目標に九州勢がチャンスをつかむ
九州勢は吉岡稔真が不出場なのでニューリーダーの小野俊之が引っ張っていく。小野は競輪祭の二次予選で落車してしまったが、落車の影響が残っていたとしても追い込み型は目標次第ですぐに立ち直れるし、荒井崇博や中川誠一郎らの好目標がそろっているので心配はないだろう。
荒井崇博 選手
荒井崇博は昨年のふるさとダービー函館でビッグレース初優出、オールスターでは二次予選で敗れたが3勝を挙げるなど、昨年は急成長を遂げた。近況も11月の別府記念と年頭の久留米FⅠを優勝と好調だ。競輪祭では連絡みが3日目特選の逃げ切りのみと期待はずれの結果に終わったが、その反省の意味も込めて、今回は強靭なダッシュ力を武器に積極的な攻めを見せてくれるだろう。
中川誠一郎は昨年後半から低迷してしまい、逃げれず、捲れずの状態が続いていたが、ここへきてようやく復調気配が見えてきている。12月の立川FⅠの3日目特選では6番手からの捲りで4カ月ぶりの勝ち星、1月の大宮記念の3日目選抜では捲り追い込みで1着、そして競輪祭の一次予選は逃げ切っている。4日目選抜は先行して4着に沈んだが、番手の紫原政文が1着になっている。九州には加倉正義、池尻浩一、大塚健一郎などの鋭い差し脚を誇るマーク陣がずらりと揃っているので、積極性の戻ってきた中川を目標に追い込み勢の勝ち上がりが期待できる。
--- 西王座戦の思い出 ---
小野俊之は最終ホームで神山雄一郎のインに飛びついてグランプリ初優勝を達成したが、その鮮やかな競走スタイルはビッグ初優勝の西王座戦で確立されたといってもいいだろう。並びは村上義弘―小野俊之―渡邉隆、堤洋―小川圭二、小嶋敬二―佐久間重光―山田裕仁―山口幸二の3分戦。赤板から小嶋が上昇して打鐘で先頭に立つと、小野―渡邉がすかさず小嶋の番手に飛びつく。最終ホームから小嶋がスパート、1センターで小野が小嶋の番手を取りきる。2角から4番手に下がっていた山田が捲りにいくが車が出ない。堤も8番手から捲りあげるが、3番手の渡邉の横まででいっぱい。小野が直線抜け出して優勝、2着は堤の捲り乗った小川、3着が小嶋だった。
瀬戸内海が近く、年間を通してバック向かい風
バック向かい風で先行は苦しく、追い込み有利
カントも直線の長さも普通で、まったくクセがなく、軽くて走りやすいと選手の評判はいい。ただ、バック後方がすぐ瀬戸内海で、年間を通してバック向かい風が多く、とくに冬は強く吹く日があるので先行選手は苦しい。
00年12月に開催されたふるさとダービーの結果を見てみよう。全44レースのうち1着の決まり手は、逃げが3回、捲りが12回、差しが29回。2着の決まり手は、逃げが3回、捲りが7回、差しが15回、マークが19回で、先行が連に絡んだのは6回しかない。ちなみに逃げ切れたのは二次予選の小嶋敬二、3日目特選の馬渕紀明、4日目特選の田川辰二の3人である。当日の風の向きや強さには十分に注意が必要だ。
先行が粘れないので捲りがよく決まっているし、圧倒的に追い込みが有利のバンクといっていいだろう。
しかも先行がなかなか粘れないので、主導権を取ったラインの番手の選手が必ずしも有利になるとはかぎらない。3、4番手で脚をためていた選手が伸びて1着、5、6番手の選手が大外強襲で2着という、差し―差しで決着したレースも少なくなかった。ちなみに決勝戦は、稲村成浩の捲りに先手ラインから切り替えてきた東出剛―小川圭二が続き、東出が稲村を交わした外を小川が強襲して優勝と、捲りのラインでも交わしの交わしが決まっていた。
先行はバック向かい風を計算に入れて仕掛けるのがポイントとなるが、捲りも早めに出切ると苦しくなるので、3角過ぎの捲り追い込みのほうがいい。競りも風の影響でインが重くなるので、アウトでも十分に戦える。
--- バンク ---
周長は400m、最大カントは30度37分33秒、見なし直線は47.9m。400バンクにしては円に近い形で、直線も短い印象を受ける。軽くて走りやすい走路だが、風の強い日と弱い日で戦法の有利・不利が変わってくる。バック向かい風の影響で、2コーナーから2センターにかけてインが重くなる。直線でよく伸びるのは最内からやや中寄りのコース。
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