弥彦競輪
ふるさとダービー弥彦(GII)
6/25(土)~6/28(火)
レース展望 ふるさとダービーとは テレビ放送予定 優勝者の横顔
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レース展望
 新潟県の弥彦競輪場で3年ぶり5回目のふるさとダービーが開催される。武田豊樹と神山雄一郎に地元のエース・小橋正義の3人で鉄壁ラインを形成する関東勢が中心だが、福島3強がそろい踏みの北日本勢も強力だ。王座奪回を目指す山田裕仁やふるダビ武雄の雪辱を期す小野俊之も侮れず、パワフル先行が自慢の稲垣裕之と高城信雄の2人を擁する近畿勢の活躍も楽しみだ。
 
武田率いる関東勢と福島3強のパワー対決が見どころ
鉄壁の関東ラインから神山が直線一気に抜け出す
 
 5月の地元・宇都宮記念を優勝して復調気配の神山雄一郎、目標の武田豊樹が不発で最終3角を8番手で通過する苦しい展開ながら、2センターから山おろし気味に仕掛けて頭に突き抜けた脚力は全盛期を彷彿とさせるものだった。レースの読みや勝負どころの仕掛けのタイミングは相変わらず超一流の冴えを見せており、前に武田、後ろに小橋正義の鉄壁ラインを形成なら、神山が文句なしの優勝候補の筆頭だ。
神山雄一郎(栃木・61期)
   
 武田は特別競輪優出2回、記念優勝3回と着実に実績を積み上げてきており、今や先行力では輪界一、二を争うパワーを各地で見せつけている。レース運びの甘さから見せ場をつくれずに終わってしまうレースも決して少なくないが、爆発的な先行力を存分に発揮できれば神山を振り切っての優勝が十分に狙える。
武田豊樹(茨城・88期)
   
 小橋は昨年後半からずっと低空飛行が続いていたが、5月の別府記念で伏見俊昭の先行を差し切るなど、少しずつだか復調気配が見えてきている。前回のふるダビ弥彦では二次予選で落車して地元ファンの期待に応えられなかっただけに、今度こそはと期するものは大きいはずだ。
小橋正義(新潟・59期)
 
  地元・関東勢に強力布陣で勝負を挑んでくるのが北日本勢だ。伏見俊昭、佐藤慎太郎、岡部芳幸の福島3強がそろい踏みの上に、徹底先行で売り出し中の渡邊一成が勝ち上がってくれば超強力ラインができあがってしまう。
 伏見は4月のふるダビ武雄では優出を逃したが、松戸ダービー決勝では武田や村上義弘相手に主導権を握って2着と本来の実力を発揮していた。
 佐藤は落車の影響などで冬場はやや低調だったが、ふるダビ武雄では繰り上がりながら優勝を飾り好調時の勢いを取り戻している。
 岡部芳幸は福島トリオがそろえば3番手回りになるが、見逃せないのが切れ味鋭い捲りだ。5月の平塚記念準決では武田の先行を豪快に捲り切るなど絶好調を維持している。直線の長い弥彦バンクならば、福島ラインの3番手からでも直線強襲が期待できそうだ。
伏見俊昭(福島・75期)
佐藤慎太郎(福島・78期)
岡部芳幸(福島・66期)
 
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好調時のスピードが蘇った捲り勝負で山田が王座奪還を目指す
主導権取りに燃える石毛が南関勢を勝利に導く
 
 南関勢は大駒不在で小粒なメンバー構成となってしまったが、石毛克幸、水書義弘、山内大作などの積極性の高い機動力型がそろっている。とくに石毛は本来はスピードのいい捲りを得意としているが、近況はまるで人が変わったかのように主導権取りに燃えており、記念や特別競輪で南関の追い込み勢の勝ち上がりに大きく貢献している。
石毛克幸(千葉・84期)
   
 中部勢では吉田敏洋が赤丸急上昇中だ。昨年は高松宮記念杯と全日本選抜で優出して一躍注目を集める存在となったが、その後も安易に捲りに頼ることなく、先行主体の競走にこだわって着実にパワーアップしてきている。今年はまだビッグレースでは目立った成績を残せていないが、記念では伏見-佐藤の福島ラインを相手に逃げ切るなどの活躍を見せており、今回も勝ち上がりが期待できる。
吉田敏洋(愛知・85期)
   
 山田裕仁は長らく不振にあえいでいたが、2月の静岡で約2年ぶりの記念優勝を飾って、ようやくスランプ脱出の糸口をつかんだ。格下相手のFⅠ戦ながら2月の岐阜と4月の花月園を捲りで圧勝して、いよいよ王座奪還へ向けてエンジンがかかってきた。昨年は中部の若手の番手を回る機会が多く、自力勝負の回数が減ったことがスランプの一因になったと見ていいが、今回は幸い(?)にも中部勢の機動力が手薄なので、スピードが蘇った捲り勝負でふるダビ初優勝を狙っていける。
山田裕仁(岐阜・61期)
 
  近畿勢は稲垣裕之と高城信雄の2人の先行型に浮沈のカギがかかっている。
 稲垣は昨年のオールスターで特別初優出を達成、今年の西王座戦でも優出を果たした。4月の高知記念では武田豊樹の先行を捲ってうれしい記念初優勝を飾っている。ときには早駆けがたたって末脚を欠くこともあるが、今回も結果を恐れぬ積極策で見せ場をつくってくれるだろう。
 高城もパワフルな先行・捲りが魅力で、松戸ダービーの敗者戦で3連勝したように勢いに乗ると手がつけられない強さを発揮するタイプ。今回も初日好走ならトントン拍子の勝ち上がりが期待できる。
稲垣裕之(京都・86期)
高城信雄(兵庫・77期)
 
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グラプリ覇者の小野の位置取りがレースのカギを握る
記念初優勝を達成した渡部の飛躍に期待がかかる
 
 今年の小野俊之はグランプリ覇者としてはかなり物足りない成績が続いていたが、4月の川崎記念を優勝してようやく軌道修正に成功した。続くふるダビ武雄も地元ファンの期待にきっちり応えて優出を果たしたが、決勝では痛恨の1着失格に泣いた。今回は武雄の雪辱を期しての戦いとなるが、九州の機動力型が手薄なので、小野の連日の位置取りが注目される。武雄の決勝では捲り専門の三宅伸が小野を連れて思い切った先行策に出ており、今回もグランプリ覇者に前を任された選手の積極的な仕掛けに一考が必要だ。
小野俊之(大分・77期)
   
 中四国勢では三宅達也の捲り一発が魅力的だ。ビッグレースではこれといった実績はまだないが、3月のいわき平と4月の西武園の記念で優出、5月の立川FⅠで優勝と近況好調だ。三宅達也も三宅伸と同様に切れ味鋭い捲りが主戦法だが、いわき平記念の準決では小野を連れて逃げてワンツーを決めている。
 渡部哲男は3月の地元・松山で記念初優勝を達成した。四国勢の厚い援護のたまものだったが、地元のプレッシャーにみごとに打ち勝っての優勝だけに、今後は一皮も二皮もむけた渡部の大きな飛躍が期待できる。
 堤洋は昨年11月の鎖骨骨折の影響で低迷しているが、近況は少しずつではあるが調子を取り戻してきている。FⅠながら1月の小松島と5月の高松で優勝、記念でも捲りが打てるようになってきており、今回も軽視できない。
三宅達也(岡山・79期)
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神山が巧みな位置取りと十八番の三角捲りで圧勝
ふるさとダービー弥彦の思い出
 神山は西武園ダービー決勝で惜敗してから調子を落とし、高松宮記念杯準決で落車、その後も国内の競輪とワールドカップ参戦が続く強行日程をこなしていて、ふるダビの戦前は体調面が不安視されていた。しかし、終わってみれば捲りの4連発で神山の圧勝劇だった。並びは神山雄一郎-阿部康雄―稲村成浩-恩田繁雄、小嶋敬二-山口富生、市田佳寿浩-小橋正義-佐々木龍也の3分戦で、神山率いる関東ラインが一番長くなった。ラスト2周の赤板で市田が上昇すると、小嶋もあわせて動いて神山を抑えにいこうとするが、神山も同時に踏み出していく。このとき小嶋は佐々木のインに前輪を差し込んでしまい、後退してしまう。市田が主導権を取り、神山は楽々4番手を確保して十八番の3角捲りで優勝、2着には市田の番手から神山に切り替えた小橋が入り、直線鋭く伸びた山口が3着だった。

神山雄一郎(平成10年4月7日決勝・優勝)

3コーナー過ぎからの捲り追い込みがよく決まる
ゴール前の長い直線に伸びるコースがある
 弥彦競輪場は見なし直線が63・1mと長く、追い込み有利のバンクだ。直線ではインコースよりも中バンクがよく伸びるので、3、4番手でも4角から外に持ち出していくと頭に抜けるケースがある。
 前回02年のふるダビの一次予選では笹川竜治が最終4角4番手から中バンクを一気に伸びて1着になっている。さすがに地元選手は一番よく伸びるコースを知っており、今回もバンクを知り尽くした地元選手には気をつけたい。
 しかし、過去4回のふるダビの結果を見てみると、ふるダビに限っていえば、直線が長いわりには追い込みが絶対的に有利とはいいがたいようだ。
 02年の全44レースの決まり手は次のとおりで、1着は逃げが9回、捲りが16回、差しが19回、2着は逃げが4回、捲りが10回、差しが10回、マークが20回である。
 捲りが面白いほどよく決まっており、全レースの半数以上が捲りのラインの選手で決着している。400バンクでは1着の決まり手の差しが6割近くになるのが普通で、ビッグレースで捲りがこれほどよく決まっている大会は珍しいのではないだろうか。最大カントが32度24分ときつく、直線が長いので脚をじっくりためてから遅めに仕掛けても十分に間に合うので捲りが決まりやすいのだろう。
 逃げも決して不利とはいえない。直線の長いバンクでは末脚を考えて自力型の仕掛けが遅くなるので、最初から先行と決めて積極的に前へ出ていけば自分の思いどおりのペースで仕掛けられるし、ペースの上がった誘導をうまく使っていけばまんまと逃げ切ることもできる。

 全国唯一の村営競輪場で、周長400m、最大カントは32度24分17秒、見なし直線距離は63.1m。直線が長く、梅雨時はバンクが重くなるので先行は苦しい。捲りも遅めに踏み出すのがいい。3角から風が吹き込んでバック向かい風の日が多いが、3角を過ぎると影響がなくなるので捲り追い込みに向いている。

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