大津びわこ競輪場
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東西の精鋭108名が頂点を目指す!
 
今年も伝統の東西対抗戦が大津びわこ競輪場で開催される。今年のGⅠ戦線では後閑信一に鈴木誠と東勢の優勢が続き、話題の武田豊樹の初タイトルにも期待がかかる。だが、村上義弘や小野俊之らの西勢の巻き返しも必至だ。
 
怪物・武田豊樹の初タイトルは秒読み段階だ
 

武田豊樹(茨城・88期)
  最近のGⅠ戦線ではベテラン勢の活躍ばかりが目立ち、若手の伸び悩みが深刻化している。後閑信一の初タイトルや鈴木誠の13年ぶりのGⅠ優勝は感動的だったが、それでもやはり、ファンが一番切望しているのはニューヒーローの誕生だろう。そして、全国のファンの期待を一身に背負っているといっても過言ではないのが武田豊樹だ。
 武田の強さについては改めて語る必要もないだろう。東王座戦や日本選手権の決勝では後手を踏まされて期待はずれの結果に終わっているが、4月の西武園記念では堂々の先行押し切りで3度目の記念優勝を飾っている。
 大津びわこは500バンクだが、実際は400バンクに近い走路なので、99年には太田真一が逃げ切って初タイトルを獲得しているし、96年には吉岡稔真も逃げ切って優勝している。現在の武田の先行力をもってすれば、太田や吉岡と同様に逃げ切り優勝が十分に狙っていけるはずだ。


後閑信一(群馬・65期)

 武田の番手は後閑信一の指定席で、日本選手権では武田を目標に2勝しており相性は抜群だ。今回も初日・青龍賞で武田と連係するが、武田が積極的に主導権を取りにいく競走ならば、伏見俊昭や岡部芳幸らの北日本勢の反撃を後閑がきっちり止めてワンツーを決めてくるだろう。
 関東勢では神山雄一郎も好調だ。競輪祭での優出のあとは調子落ちになっていたが、例年どおりに4月の声を聞くと同時に調子は上向きになり、川崎記念や平塚記念では本来の力強い走りが戻ってきていた。後閑と同様に武田との相性もよく、武田―神山―後閑で連携できればGⅠの決勝でも上位独占が期待できる。

 

得意のびわこバンクで岡部の捲りが炸裂する
 

伏見俊昭(福島・75期)
  伏見俊昭は日本選手権では村上義弘や武田豊樹らを相手に果敢に先行して準優勝と東の王者にふさわしい走りを見せたが4月になってからは花粉症に苦しめられ、川崎記念とふるダビ武雄では準決敗退と精彩を欠いてしまった。しかし、ようやく花粉の季節も終わり、今シリーズまでにはしっかり立て直してきて、伏見らしい走りで主役の座に返り咲いてくるはずだ。


岡部芳幸(福島・66期)

 びわこバンクを得意中の得意としているのが岡部芳幸だ。一昨年の高松宮記念杯では上がり13秒1のバンクレコードを叩き出しているし、昨年の決勝では村上義弘の早駆けにあって7番手に置かれてしまったが、そこからの捲りで2着に届いている。今年はまだGⅠでの優出はないが、東王座戦では伏見の番手捲りを差して優勝、5月の平塚記念準決では武田―神山の本命ラインを捲りで一蹴している。総合力で判断すれば伏見が文句なしの東日本のナンバーワンだが、一発必中の捲りに関しては現時点では岡部のほうが上と見ていいだろう。

 佐藤慎太郎はふるダビ武雄では小野俊之の1着失格による繰り上がりながら、昨年10月の共同通信社杯以来のビッグ制覇を達成している。ただ、日本選手権、いわき平記念と連続して落車した影響か、体調面では万全とはいえない状態だった。初日特選では先行した伏見の番手という絶好の展開だったが、3番手の渡邉晴智に交わされて3着に落ちている。今回も初日・青龍賞から伏見とタッグを組むが、伏見が武田を叩いて先行した場合、伏見をかばいすぎて直線で伸び切れないというケースも考えておいたほうがよさそうだ。


新田康仁(静岡・74期)
  南関勢は今回も機動力の面で苦しい戦いを強いられそうだが、新田康仁と渡邉晴智の静岡コンビが近況好調で一発の魅力がある。ふるダビ武雄の2日目優秀では、伏見俊昭や荒井崇博らを相手に先行、渡邉の好アシストもあって新田がまんまと逃げ切りワンツーを決めている。
 侮れない存在なのが高木隆弘だ。近況は決して満足のいく成績ではないが、地元・平塚記念では岡部芳幸や小野俊之らを相手に優勝を飾っている。なによりも今年は平塚でグランプリが開催されるので是が非でも出場権を手に入れたいはずだ。4年前に平塚でグランプリが開催されたときも高木は高松宮記念杯で復活優勝を遂げており、今年もひょっとするとひょっとするかもしれない。


小嶋敬二(石川・74期)
怪物・武田豊樹に真っ向からパワーで対抗できるのは小嶋敬二だろう。近況は記念でも2人が同乗するレースが多く、2人のパワー対決が開催の呼び物の一つになっている印象がある。対戦成績を見ると小嶋のほうがやや分が悪いが、小嶋が1着、武田が2着の力同士のワンツー決着というレースもある。また、2人のパワーがまともにぶつかりあって両者共倒れというレースも少なくない。
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村上義弘が先行日本一の威信を取り戻す
 

村上義弘(京都・73期)
 村上義弘の巻き返しも今シリーズの見どころだ。村上は落車とケガの影響で昨年末から精彩を欠いていたが、日本選手権では優出を果たして復活をアピールした。ところが、4月の川崎記念では優出を逃し、ふるダビ武雄は病気欠場しており、いまいち調子がつかみづらくて不安が残る。しかし、昨年は松本整の引退の場となった大会だけに村上の高松宮記念杯に対する思い入れは人一倍強いはずで、必ずや万全の状態に仕上げてきてくれるだろう。
 近況は村上との連係も多い市田佳寿浩が調子を上げてきている。捲り主体の自在型に転向してからは成績がなかなか安定せず、ビッグレースや記念では準決敗退というケースが多かったが、ふるダビ武雄の準決では狙いすました捲りの1着で勝ち上がり、昨年のオールスター以来のビッグ優出を決めている。これをきっかけに今後はますます位置取りに厳しくこだわるようになってくるだろうし、今シリーズも活躍が期待できる


佐々木則幸(高知・79期)
 佐々木則幸が復調してきている。西王座戦ではゴール前で山内卓也の強襲にあって惜敗したが、稲垣裕之や高城信雄らを相手に突っ張り先行で2着に粘っている。積極性の高さも先行しての末の粘りも、昨年の競輪祭の準優勝で大ブレイクしたときの状態に近づいているといっていい。加えて捲りもよく決まるようになって勝負強さと安定感も増してきている。



小野俊之(大分・77期)
 小野俊之がようやく本来の強さを取り戻してきた。グランプリ制覇のあとは物足りない成績が続いていたが、4月の川崎記念で荒井崇博の捲りをきっちり差して今年初優勝を飾っている。ふるダビ武雄は痛恨の1着失格だったが、ゴール前の伸びは申し分なく、次場所の準優勝と勢いに乗っており、今シリーズでは当然のように優勝候補の一角に食い込んでくるだろう。