大津びわこ競輪場
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東の注目選手・相性いい宮杯で自在攻めだ!岡部義幸
 

岡部芳幸(福島・66期)
  岡部芳幸は今年に入ってから依然として好調をキープしている。2月の東王座戦での優勝をはじめ、3月の高知、5月の平塚記念で優出と、ビッグレースで着実に成績を残しており、大舞台に強いのが岡部の魅力の1つと言えよう。直近10場所の勝率は27%とそれほどでもないが、連対率は55%、3連対率にいたっては69%とハイアベレージを残している。その岡部の好成績を支えているのが、巧みな自在戦だろう。さすがに先行は少ないが、切れ味鋭い捲りは強烈だ。展開を読む能力に長けており、後方からでも一気に前団を飲み込む捲りは他の選手にとっては脅威に映る。また、今開催は仕掛け所の多い500バンクでの開催とあって、岡部の自在脚が十分に活かせるはず。展開に応じて変幻自在の攻めが可能な岡部の動向から目が離せない。


西の注目選手・小野が長い眠りから覚めた
 

小野俊之(大分・77期
  昨年のKEIRINグランプリ優勝者でありながら、今年はビッグレースでの予選敗退を繰り返すなど不振が続いていた小野俊之。しかし、4月の川崎記念での優勝を機に、暗く長いトンネルから脱出したようだ。次場所のふるさとダービー武雄温泉では決勝で無念の1着失格となったが、本格復調をアピールするには十分の内容だった。それを証明するように、5月は平塚記念で決勝2着、別府記念で決勝3着、直近10場所の成績を見ても、勝率31%、連対率41%、3連対率63%と完全復活したと見ても良さそうだ。今開催は荒井崇博、中川誠一郎、井上昌己ら九州の先行型が豊富で、展開有利に運べる公算が高い。長い眠りから覚めたグランプリ覇者がその厳しい位置取りとシャープな差し脚を武器に後半戦へ向け巻き返しを図る。



青龍賞を占う・北日本勢VS関東勢勝つのはどっちだ
 

佐藤慎太郎(福島・78期)
  青龍賞は完全に北日本勢VS関東勢の戦いだが、結束力の固さでリードしているのは北日本勢か。その5人揃った北日本勢の中で最も調子がいいのは佐藤慎太郎と言えよう。4月のふるさとダービー武雄温泉では繰り上がりながら、優勝を飾るなどツキも見方している。また、初タイトルを獲得した03年の高知での全日本選抜競輪を長走路との相性が抜群で、有力な優勝候補の1人だ。
 その佐藤と連係実績、相性ともに抜群なのが伏見俊昭。3月のいわき平記念優勝以降、目立った活躍はないが、佐藤との連係が可能ならば上位独占も十分ある。
 この伏見-佐藤に岡部を加えた福島黄金ラインが実現すれば、いくら関東勢といえど、その牙城を崩すのは容易ではないだろう。
 一方の関東勢も強力選手揃い。圧倒的なパワーを駆使した先行策でビッグ戦線を席巻する武田豊樹、追い込み巧みな後閑信一、シビアな位置取りに定評がある兵藤一也など北日本勢と比べても見劣りはしていない。いずれにせよ好勝負になることは必至で、互いの地区の威信を賭けた争いは要注目だ。

 
白虎賞を占う・先行選手が多数参戦主導権争いは超激戦
 

加藤慎平(岐阜・81期)
 白虎賞には西日本を代表する先行選手が集結し、主導権争いが最大の焦点になりそう。5者揃った中部勢で先導役を務めるのは加藤慎平と小嶋敬二の両者だろう。加藤は現在自在戦を主体にしており、純粋な先行選手ではないが、時折見せるカマシ先行は強烈なタイミングさえ合ってしまえば、後続を引き離しての逃走劇も考えられる。一方、小嶋敬二の先行実績は今更説明の必要もないだろうが、マイペース先行に持ち込んでしまえば他の選手が捲るのは容易ではなく、その動向には注意したい。
 その加藤、小嶋に対抗するのは高城信雄、佐々木則幸の両者だ。高城の持ち味は強烈なダッシュ力で、たとえ後方に置かれても前団を一気に飲み込めるだけのスピードを秘めている。
 また、佐々木は地元が高知だけあって長走路バンクとの相性が抜群で、上手く仕掛けさえすれば逃げ切りも十分にある。その佐々木マークが濃厚な小倉竜二も直近10場所で3連対率72%と高い数字を残しているし、5月の大垣記念で優勝を飾るなど勢いに乗っているだけに、侮れないところ。

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高松宮記念杯競輪の想い出
 高松宮記念杯は別名「雨の宮杯」などといわれているが、03年の大会では台風接近のために3日目が中止順延になってしまった。それが自力型の小嶋敬二にとってはいい休養になったようで、準決は逃げて2着に粘り、決勝も小嶋らしいパワー捲りを見せつけてくれた。並びは小嶋敬二―山口富生、堤洋―新藤敦、村上義弘―松本整―渡辺一貴―大井啓世の3分戦で、赤板ホームから佐藤慎太郎が松本のアウトに並びかけていく。打鐘3角から村上が上昇、番手は佐藤が取りきる。最終ホームから松本が再び佐藤のアウトに追い上げていくが、2角で競り負けてしまう。そこから村上が全開でスパート、4番手から堤が捲っていくが佐藤の横までで売り切れ、そして8番手でじっくり脚をためていた小嶋が4角を立ち上がってから大外をグングン伸びて村上をとらえ、悲願の初タイトル獲得した。
 
400バンクに近く、自力型も実力を発揮できる
 大津びわこは500バンクだが、どちらかというと400バンクに近い感覚の走路で、先行・捲りの自力型も存分に力を発揮できる。02年の改修では従来よりもカントが約1度きつくなり、直線の長さが約20センチ短縮され、走路自体もクセがなくて走りやすい高速バンクへと生まれ変わっている。
 走路改修で「びわこ道」と呼ばれていたよく伸びるコースもなくなり、ゴール前で混戦になるケースも少なくなっている。昨年の高松宮記念杯の結果を見てみると、全47レースのうち半数以上の28レースで1着、2着がスジで決まっている。しかも、そのうちの13レースでは同一ラインの選手で3着までを独占している。交わしの交わしの出現率も高くなく、昨年の大会では3回しか出ていない。
 ちなみに昨年の全47レースの1着、2着の決まり手は次のとおりである。1着は逃げ切りが3回、捲りが11回、差しが33回、2着は逃げが5回、捲りが13回、差しが16回、マークが13回となっている。
 有利なのはやはり先手ラインの番手の選手で、昨年の大会では25レースで最終4角を番手で回ってきた選手が1着になっている。
 
バック追い風が多く先行有利
 周長は500m、最大カントは26度16分47秒、見なし直線は63.3m。特観席などの建物の関係でバンク内では風が回ることが多いが、高松宮記念杯の頃はバックが追い風になって先行有利になる。400バンクに近いので先行選手はホームから早めに仕掛けても十分に粘れる。競りはバックで内から風を受けて重くなるので、必ずしもイン有利とはいえない。