東西王座戦
 
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東王座優勝者の横顔
西王座優勝者の横顔
 


東と西の頂上決戦が今始まる!


 2010年初のビッグレース、第9回東西王座戦が岡山県の玉野競輪場で開催される。東日本と西日本のトップスターがそれぞれの地区の覇権を競う本大会は、通常の組み合わせや展開とは異なるスリリングな競走の連続で見応えたっぷりの3日間となるだろう。



3大勢力の叩き合いで激戦必至!


武田豊樹選手
武田豊樹(茨城・88期)
 東王座戦は現在の競輪界をリードしている北日本勢と関東勢に、グランプリ09を制覇した海老根恵太率いる南関東勢の三つ巴の攻防だけに優勝の行方は予断を許さないが、ラインの総合力でやや上回るのは平原康多、武田豊樹、神山雄一郎のお馴染みのトリオが揃う関東勢だろう。
 グランプリ09では武田が微差で海老根に優勝を奪われたが、あの大一番のレースでしっかり主導権を握っていったのは、やはりどこよりも絆の深い関東勢だった。
 平原と武田の前後は常に流動的で、今回も本人たちの調子と対戦相手の組み合わせ次第では武田が前回りのケースもありうるが、どちらが前で戦うことになっても、いつもどおりにレースの主導権を握って、今度こそラインでの上位独占を狙ってくるだろう。

 昨年GIタイトルを2個ずつ獲得した平原と武田の連係は機動力の面でも強力で、3番手の神山も十分にチャンスのある位置だ。グランプリ09では山崎芳仁に3番手を奪われたが、直前の広島記念では武田の先行に乗って96回目の記念優勝を飾っており、神山の久しぶりのビッグレース制覇にも期待がかかる。
 
海老根恵太選手
海老根恵太(千葉・86期)
 昨年の東王座戦の覇者が海老根だ。寛仁親王牌とグランプリ09はともに捲り追い込みでの優勝だったが、東王座戦は4人揃った南関東勢の強力援護を受けての逃げ切りだった。昨年記念初優勝を飾った山賀雅仁と栗田雅也の2人も出場予定で、今年の南関東勢は機動力の面でも他地区に決してヒケをとらず、今年も南関東勢の大挙の決勝進出があれば海老根が先行勝負でラインをぐいぐい引っ張っていく展開が十分に考えられる。
 
山崎芳仁選手
山崎芳仁(福島・88期)
 山崎芳仁は昨年は1月・競輪祭と8月・全日本選抜を制して王者の威厳を保ったが、春先に調子を落とし、11月・競輪祭でも二次予選敗退で途中欠場とやや安定性に欠けた1年だった。それでも大ギアブームの火付け役となった山崎のカマシ、捲りの破壊力は依然として輪界ナンバーワンであることは間違いないし、今回も関東トリオをパワーでねじ伏せての優勝が十分に狙える。
 安定感ナンバーワンは伏見俊昭だ。昨年後半は8月・函館記念での落車の影響でややリズムを崩していた時期もあったが、11月・競輪祭では準決勝で再び落車に見舞われながらも3勝をマークして完全復活をアピール。グランプリ09でも自力に転じて見せ場を作っており、今回も相性抜群の山崎後位から優勝を目指す。



中部勢の優位は揺るがない!

永井清史選手
永井清史(岐阜・88期)
 西王座戦は中部勢が機動力の面で圧倒的に優勢だ。グランプリ戦士の永井清史をはじめとして小嶋敬二、浅井康太、柴崎淳と揃っているので、中部の選手は予選段階から有利にレースを進めることができるだろう。
 永井はグランプリ09では後手を踏まされて見せ場を作れずに終わったが、西王座戦は連日の先行策での押し切りが期待できるし、加藤慎平が連係実績豊富な永井にジカ付けできれば加藤の西王座戦連覇が濃厚になる。
 SSカップみのり09では小嶋の先行に乗った山田裕仁が優勝、3番手を回った山口幸二も微差の2着に肉薄しており、中部は若手ばかりでなくベテラン勢も好調選手ぞろいでさすがに層が厚い。
 中部勢が大挙しての決勝進出がありそうだし、組み合わせ次第では中部勢の別線勝負も考えられるが、永井、加藤、山田らの岐阜勢は絆の深さでしっかり連係して上位独占を狙ってくるだろう。
 
村上義弘選手
村上義弘(京都・73期)
 機動力豊富な中部勢に対して真っ向からの力勝負を挑めるのは、現在の西日本地区では村上義弘しかいない。
 SSカップみのり09では小嶋の先行を叩き切れずに大敗したが、それだけになお一層大舞台での打倒・中部ラインに闘志を燃やしてくるはずだ。村上は昨年のビッグレースでの決勝進出は3月の日本選手権のみだったが、12月・伊東温泉記念では3連勝の勝ち上がりで決勝進出と近況の調子は良く、今回も先行・捲りでの勝ち上がりが期待できる。
 弟の村上博幸もSSカップみのり09では兄が不発の展開から3着に突っ込んでおり調子は良さそうだ。昨年は全日本選抜、オールスター、共同通信社杯秋本番で決勝進出、12月・玉野記念でも優出と好走しており、再び大舞台での兄弟タッグが実現するだろう。
 
石丸寛之選手
石丸寛之(岡山・76期)
 地元の石丸寛之はどこまで体調が戻っているかが鍵だ。長期欠場明けのぶっつけ本番で臨んだグランプリ09ではさすがに見せ場は作れなかったが、勝負どころでは海老根恵太の後ろに付けていて位置取りの勘は的確だった。今回も体調面での不安はぬぐい切れないが、ホームバンクで地元ファンの声援に後押しされながら最低でも決勝進出はきっちりと果たしてくるだろう。
 九州勢は坂本亮馬に勢いがある。9月・花月園記念では7番手からのイン捲りの奇襲戦法で記念初優勝を達成、11月・競輪祭では二次予選で武田豊樹-神山雄一郎の関東ラインを敗り、準決勝では小嶋や浅井を敗ってGI初優出を達成。12月・岐阜記念では2度目の記念優勝を達成しており、今回も機動力充実の中部勢を相手に大捲りの一発が侮れない。


語り継がれる名勝負 東王座戦の思い出
海老根恵太が逃げ切ってGII優勝!
 伏見俊昭-成田和也が前受け、武田豊樹―神山雄一郎―阿部康雄が中団、海老根恵太―武井大介―渡邉晴智―村本大輔が後ろ攻めで周回。赤板から上昇した海老根が武田の横でフタをしてから打鐘とともに飛び出して先行態勢に入ると、南関東勢の後ろはアウトに武田、インに伏見で並走になる。最終バックから武田が捲っていくが、武井に牽制にされて失速、さらに武田にスピードをもらった神山が大外を強襲するが、タイヤ差で逃げ粘った海老根がヤンググランプリ以来のGII優勝を飾った。

第8回東王座戦決勝 優勝 (2)海老根恵太
第8回東王座戦決勝 優勝 (2)海老根恵太

語り継がれる名勝負 西王座戦の思い出
稲垣の先行に乗り加藤が復活優勝!
 稲垣裕之―加藤慎平―山田裕仁―山口幸二が前受け、井上昌己―小野俊之が中団、後方に渡部哲男―三宅伸―岩津裕介で周回。赤板から渡部がゆっくり上昇して先頭に立つが、6番手まで引いた稲垣が打鐘の4角から山おろしをかけて一気に仕掛ける。渡部も合わせて踏むが稲垣に出切られてしまい、渡部は加藤のインで粘る。絶好の捲りごろになって井上が最終バックから仕掛けるが、車が伸びにず不発。番手を守り切った加藤が直線抜け出し、05年のGP以来のビッグレース制覇を達成した。

第8回西王座戦決勝 優勝 (7)加藤慎平
第8回西王座戦決勝 優勝 (7)加藤慎平

東西王座戦を占う 玉野競輪場400m バンク特性を知る
瀬戸内海の近く、年間を通してバック向かい風
先行選手は苦しく、捲りがよく決まっている
 クセのない走りやすい走路で、カントも直線の長さも普通である。ただ、バック後方約100メートルがもう瀬戸内海で年間を通してバック向かい風が吹いており、冬場はとくに強く吹く日があるので、先行選手は風を計算に入れて仕掛けないと粘り込めない。
 05年2月に開催された西王座戦の決まり手を見てみると、全44レースのうち1着は逃げが2回、捲りが18回、差しが25回、2着は逃げが9回、捲りが7回、差しが13回、マークが15回となっている。
 先行が連に絡んだのは11回だけで、対照的に捲りがよく決まっている。ちなみに先手を取ったラインの選手が1着になったのは17回である。
 捲りは1センターから仕掛けて3角でスピードに乗り、2センターで完全に出切っているのが理想のパターン。逆に2角立ち直ってからの捲りは、3角から2センターのあいだで先行選手に並びかけた時に遅れてしまうので不発になりやすい。
 競りも風の影響でインが重くなるので、アウトでも十分に戦える。

 周長は400m、最大カントは30度37分33秒、見なし直線距離は47.9m。400バンクとしては円に近い形をしている。直線でよく伸びるのは最内からやや中寄りのコース。3、4番手からでもコース取り次第では頭に突き抜けることができるが、4角立て直してもインは空かない。競りは2角から外が有利になるので、イン粘りは2角までに競り勝ちたい。

玉野競輪場