手島君と慎太郎君の間のコースが開いていたので、スムーズにゴールできました。山崎君は日本一の先行屋だし、慎太郎君は日本一のマーク屋だから、三番手に付いていれば良い着は取れるだろうなと思っていました。前の二人よりは気楽だったし、おそらく9人の中で僕が一番気楽だったと思います。 レースの作戦は、前を取ったら早めに誰かが押さえてくるだろうという読みだったので、緩んだら引いてカマす、もし駆けられてしまったらまくりというのが一つ、もう一つは後方から押さえて、タイミングが遅いと手島君が粘ってくるかもしれないので、早めに押さえようというものでした。吉岡君が前を取ったので、押さえやすくなりましたね。脚を使っていなかったので、4コーナーからもサラ脚状態でした。思ったように自転車が伸びてくれましたね。 家族の支えが一番大きかったと思うし、いろいろワガママを聞いてもらってますからね。半年以上秋田の方にいないんですけど、カミさんがいつもいろいろな事をやってくれているので、感謝の気持ちを伝えたいと思います。そして、弱っている時にも応援してくれたファンにも同じように感謝したいですね。GIよりも先にグランプリを優勝してしまいましたが、来年はタイトルを獲れるように頑張りたいと思います。 今年はグランプリに乗れただけでもラッキーだったと思いますし、北日本の若い自力型の選手に付いて、先輩でも坂本勉さんのように強い自力型がいて、みんなのおかげでグランプリに乗れたと思うし、本当に感謝しています。 ここに来る前に1日だけ戸辺英雄さんと武田豊樹くんと一緒に練習してきたんですが、その時に気楽に走った方が良いんじゃないと二人が言ってくれたんで、1億円といってもピンと来なかったんで、優勝して(1億円)もらえるんだなと思っても実感はなかったですね。おそらく家に帰って通帳を見た時に実感が沸くと思います。来年の4月に結婚して10周年を迎えるので、苦労をかけたカミさんにそのお祝いと、優勝を記念して何か買ってあげようと思います。 グランプリを優勝できましたが、4、5年前じゃとても考えられないようなことですね。競輪の歴史の中にちょっとでも自分の名前を残すことができて嬉しいですね。 吉岡君がこのレースで引退しましたが、歳も一つしか違わないし、期は一つ下なんですけど、自力でやっていた時は吉岡君と勝負していたんですけど、やっぱり近い年代で、しかも超一流の選手がやめてしまったことで、今までは引退とかあまり考えていなかったんですけど、自分も第二の人生を考えなきゃいけないのかなと思ってしまいました。本当にご苦労さまと言いたいですね。
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