SSカップみのりレース展望

SSカップみのり2010(GI) 12月29日(水)11R 立川競輪場

栄光のS級S班による一発勝負!

 今年で3回目のSSカップみのりは3人揃った福島勢が強力で人気を集めそうだが、目標のない岐阜コンビや関東コンビの出方が不気味で波乱の目も十分だ。若手ながらレース巧者の坂本亮馬や差し脚鋭い大塚健一郎の逆転を侮れず、グランプリに負けない熱戦が期待できるだろう。

好調・大塚健一郎が坂本亮馬を目標に差し脚を伸ばす!

目標不在の岐阜コンビは強気の番手戦か

坂本亮馬 福岡・90期・25歳  坂本亮馬は09年11月の競輪祭でGI初優出を達成、その勢いに乗って10年も日本選手権で優出、続く共同通信社杯春一番でも、残念ながら落車という最悪の結果に終わったが決勝進出を果たしている。
 共同通信社杯秋本番の準決勝で落車して右足の筋肉を負傷するアクシデントに見舞われ、競輪祭も二次予選で敗れているが、3日目特選では先行して加倉正義とワンツーを決めており、今回も体調面でやや不安は残るが、先行も視野に入れた総力戦で大塚健一郎との九州ワンツーを狙う。

大塚健一郎 大分・82期・33歳  大塚健一郎は今年は全日本選抜とオールスターで決勝進出を決めている。
 競輪祭では準決勝で惜しくも4着に敗れたが、近況の仕上がり具合は絶好調といってもいいほど素晴らしく、FIながら9月の別府、10月の青森、11月の取手を優勝している。競輪祭の準決勝もバック8番手の最悪の展開からよくぞ4着に届いたという鋭い伸びを見せており、今回も目標の坂本が不発の展開になっても、最後は必ず優勝争いに絡んでくるだろう。

加藤慎平 岐阜・81期・32歳  加藤慎平と山口幸二の岐阜コンビの前後は微妙だが、日本選手権の決勝の時と同様に加藤―山口で並んでくるか。日本選手権の時も直接の目標が不在の組み合わせだったが、主導権を奪った村上兄弟を巧く追走して、山口が3着、加藤が4着に入っている。
 加藤はSSシリーズ風光るとサマーナイトフェスティバルでも決勝に乗っているが、オールスターのオリオン賞で落車した影響で近況は万全の状態とはいえず、競輪祭でも二次予選で敗れている。それでも山口に前を任されれば、強気に北日本ラインの番手を狙いにいくだろう。

山口幸二 岐阜・62期・42歳  山口は競輪祭の最終日まで熾烈な賞金争いを戦い抜いたが、残念ながらグランプリ出場はならなかった。
 しかし、同じような状況にあった昨年のSSカップみのりでも、優勝した山田裕仁に微差まで詰め寄る気迫溢れた走りを見せており、今年も決して気落ちすることなく、全力で優勝を狙ってくるだろう。

絶好調モードの新田祐大が同県ラインで上位独占を狙う!

神山と兵藤の関東コンビの一発も侮れない

 新田祐大、佐藤慎太郎、成田和也と3人揃った福島コンビは強力だ。佐藤と成田の前後は微妙だが、目標不在の岐阜コンビや関東コンビの動向を考えると、新田-佐藤-成田の並びに落ち着くか。

新田祐大 福島・90期・24歳  新田は今年は高松宮記念杯、寛仁親王牌、競輪祭のGIで優出、共同通信社杯秋本番の決勝では北日本ラインをぐいぐい引っ張って伏見俊昭の優勝に貢献している。
 近況の新田は手がつけられないほどの絶好調モードに入っており、共同通信社杯秋本番のあとも10月の高松FIと福井FIを完全優勝、11月の函館記念は決勝こそ8着に敗れたが勝ち上がりは3連勝、準優勝の競輪祭も二次予選と準決勝を連勝と勝ち星を量産している。

佐藤慎太郎 福島・78期・34歳  佐藤慎太郎は08年の全プロ記念で落車、選手生命の危機に瀕するほどの大怪我を負ったが、昨年の高松宮記念杯からGI戦線に復帰、そして今年は地元・いわき平のオールスターで久しぶりの決勝進出を果たし、山崎芳仁の上がり10秒9の驚異的な捲りにしっかり食らいついて準優勝に輝いている。
 今回も鋭い差し脚で、05年5月のふるさとダービー武雄温泉以来のビッグ優勝を狙ってくるだろう。

成田和也 福島・88期・31歳  成田和也はサマーナイトフェスティバルで佐藤友和の先行に乗ってビッグ初優勝を達成、続く全日本選抜でも佐藤を目標に3着で表彰台に上がっている。
 昨年のSSカップみのりでは他地区の浅井康太を目標にして6着に敗れているが、今年は同県ラインという心強い味方を得てゴール前では見せ場を作ってくれるだろう。

神山雄一郎 栃木・61期・42歳  神山雄一郎と兵藤一也の2人はどう戦うか?関東ラインで結束するなら兵藤―神山の並びになるだろう。兵藤が前回りなら番手狙いの公算が大きいが、展開次第では兵藤の自力発進もありそうだ。
 あるいは敢えて連係はせずに、それぞれが単騎戦でチャンスを狙っていくことも十分に考えられる。
 神山は残念ながらグランプリ出場はならなかったが、今年は高松宮記念杯で準優勝、全日本選抜とオールスターでも優出と高いレベルで安定した強さを維持している。

兵藤一也 群馬・82期・32歳  兵藤一也も高松宮記念杯で決勝3着と健闘、その後はGIでの優出はなかったが、S級S班の座が懸かった競輪祭では二次予選で敗れながらも、3日目特選は4番手からの直線強襲で1着、4日目特別優秀は武田豊樹の先行を差し切って1着と執念の走りを見せており、今回も決して侮れない存在となるだろう。

語り継がれる名勝負 SSカップみのり09 優勝 山田裕仁
小嶋を利した山田が久々のビッグ優勝

 村上義弘―村上博幸―市田佳寿浩、小嶋敬二―山田裕仁―山口幸二、浅井康太―成田和也―渡邉晴智の並びで周回。赤板から浅井が上昇して小嶋を抑えるが、すかさず小嶋が巻き返して先頭を奪い、そのまま先行態勢に入る。最終ホームから村上も仕掛けるが、小嶋が突っ張り、山田の牽制を受けて村上義は失速。2コーナーから捲り上げた浅井も車が伸びず、小嶋の番手から抜け出した山田が優勝、3番手の山口はゴール前で鋭く迫るも写真判定の末に微差の2着、3着には村上博幸が入った。

昨年の表彰式
昨年の表彰式