YGPレース展望

ヤンググランプリ2010 12月28日(火)11R 立川競輪場

次代を担うヤングパワーの激突!

 今年で10回目を迎えるヤンググランプリが12月28日に実施される。選考順位1位の深谷知広が人気を集めそうだが、ライン的には4人揃った近畿勢が強力で、関東の同期コンビの結束力も侮れず、次代のグランプリ候補生たちにふさわしい激しい攻防戦が繰り広げられるだろう。

実績上位の深谷知広が押し切りを狙う!

ラストチャンスの関東コンビが総力戦で臨む

深谷知広 S級2班・96期/愛知・20歳  デビューからわずか1年半の96期生からただ1人ヤンググランプリに選出されたのが愛知の深谷知広だ。しかも92期や94期の先輩たちを押さえての堂々の選考順位1位だが、今年のビッグレースでの活躍ぶりを考えれば当然の結果といえる。組み合わせでは単騎戦となりそうだが、いつもどおりに積極的に仕掛けていけば同じく単騎となりそうな岩本俊介や坂本貴史が追走してくるだろうから決して展開的には不利にならないはずで、年末の大舞台でもしっかりと力の違いを見せつけてくれるだろう。

岩本俊介 S級1班・94期/千葉・26歳  岩本俊介はデビュー当時から一貫して「超」がつくほどの徹底先行で出世街道を駆け上がってきた。今年の優勝は2月・松戸FIの完全優勝の1回だけだが、共同通信社杯春一番では準決勝まで勝ち上がり、オールスターでは敗者戦ながら2勝をマークとビッグレースでも善戦している。今回は単騎戦となりそうで、仮に同期の坂本との連係があったとしても早めの飛び出しはないだろうが、本来は鋭いダッシュ力を生かした捲りも得意にしており、一発がある。

牛山貴広 S級1班・92期/茨城・29歳  関東コンビの牛山貴広と木暮安由は牛山―木暮の並びか。牛山は昨年のヤンググランプリでは6歳下の神山拓弥を連れて果敢に先行、神山の優勝に貢献したが、今年は牛山自身がラストチャンスになるのでシビアに勝ちに徹してくるはずだ。深谷知広と脇本雄太で叩き合ってくれるのが一番の理想だが、展開次第では先手ラインでイン粘りも含めて、なんでもありの総力戦の構えで臨んでくるだろう。

木暮安由 S級1班・92期/群馬・25歳  木暮は昨年のヤンググランプリでは3番手からの中割りを狙って落車、失格と最悪の結果に終わっており、今年こそはとリベンジに燃えてくるだろう。今年前半は落車が続いて波に乗れなかったが、9月・岸和田FI、10月・大津びわこFI、11月・いわき平FIを優勝して調子を上げてきている。レースの巧さではメンバー随一の木暮だけに、目標の牛山が不発の展開でも、ゴール前では必ずや優勝争いに絡んでくるだろう。

若手自力型が勢揃いで混戦必至! 熾烈な出世争いを制するのは誰だ?

脇本雄太が打倒・深谷知広に闘志を燃やす

 4人揃った近畿勢は並びが流動的だ。脇本雄太―西谷岳文と滋賀コンビの水谷好宏―三谷将太とで別線になる可能性もあるが、脚力上位の深谷知広にライン的な強さで対抗するためにもここは4人で連係して、近畿勢から優勝者を出す走りをしてくる可能性も。
 ラインの先頭は脇本で確実だが、西谷が4番手で折り合うなら水谷―三谷―西谷の並びか。西谷―水谷―三谷と並んで、脇本と深谷が真っ向からもがき合った時に、水谷が3番手から自力発進して滋賀ワンツーを狙いにいく展開も十分に考えられる。

脇本雄太 S級2班・94期/福井・21歳  脇本はGI初出場の寛仁親王牌で優出、次場所の岐阜FIでS級初優勝、そして8月・豊橋記念で深谷を破って記念初優勝と今年は大ブレイクの年となった。しかし、豊橋記念の決勝は深谷の番手にはまっての追い込みでの優勝で、レース後に深谷との主導権争いに敗れたのを悔しがっていたのが印象的だった。そのため今回は、打鐘からのもがき合いも辞さない覚悟で深谷に戦いを挑んでいきそうだ。

水谷好宏 S級2班・93期/滋賀・27歳  水谷は9月・函館FIでうれしいS級初優勝を達成してから好調の波に乗っている。11月・松阪記念では二次予選で敗れたが、逃げ切り1回、捲りの2着が2回と好成績。とくに4日目特別優秀では海老根恵太、柴崎淳を相手に番手追走の村上義弘とワンツーを決めており、上位陣との対戦でも互角に渡り合える手応えを掴んだことだろう。

三谷将太 S級1班・92期/滋賀・25歳  三谷将太は自在型で、近況は追い込みでの連絡みも多くなっている。今年はまだ優勝がないが、9月・防府記念の準決勝では4角から内を突いて1着となり、高配当を演出するとともに自身2度目の記念優出を決めている。今回もゴール前は混戦必至で三谷の直線突き抜けが侮れない。

西谷岳文 S級2班・93期/京都・31歳  西谷岳文は7月・一宮FIで打鐘4角からのカマシで押し切りS級初優勝を達成している。今のところはまだFIでも準決勝が壁になっているが成績はまとまっており、スケートで鍛えたダッシュ力はやはり魅力的だ。今回も展開次第では、後続をぶっちぎるスーパーダッシュで見せ場を作ってくれるだろう。

坂本貴史 S級2班・94期/青森・21歳  北日本からただ1人の出場は坂本貴史だ。坂本は2月・千葉FIで逃げ切りでS級初優勝を達成したが、その後は落車の影響などもあって調子を落としていた。11月・函館記念では先行で1着1回、2着1回の好成績を挙げ、ここへきてようやく本来の先行力が戻ってきている。今回は単騎戦となるが、前へ前へと積極的に仕掛けていけばきっとチャンスは訪れるだろう。

語り継がれる名勝負 ヤンググランプリ09 優勝 神山拓弥
牛山の先行に乗った神山拓弥が優勝

 柴崎淳―池田良、伊原克彦、菅田壱道―藤野孝彦、牛山貴広―神山拓弥、木暮安由―篠原忍の並びで周回。赤板から木暮が上昇して先頭に立つと、続いた牛山が打鐘で木暮を交わして先行態勢に入り、伊原が5番手、菅田が6番手、柴崎が8番手となる。牛山が山おろしをかけてホーム手前からスパート、2角から伊原が捲り上げ、菅田が追う。伊原はバックで牛山を捕らえるが、菅田をどかして伊原後位に切り替えた神山が直線鋭く追い込んで優勝、伊原が2着に粘り、3着には菅田が入った。

昨年の表彰式
昨年の表彰式