HOMEINTERVIEW平原 康多
「街道練習が好きすぎる」のは、自転車競技を始めた高校時代から街道練習で育ってきたため。すべての基本は街道練習にあると考え、競輪選手になってからも、そのスタンスは変わらない。街道練習のメリットとして「総合力の向上、強化ができ、すべての面において自分のやりたいと思った練習ができる」ということをあげている。
平原にとってだけではなく、競輪界の神様だと思える雲の上の存在。「すごいとかそんな言葉で形容できないほど、次元が違う選手」だと話している。「自力、追い込みなどすべてを極めようとしている姿勢、レースの戦法、展開などすべてにおいて一流であり、一緒にレースを走ることで学ぶことがたくさんあります。」
「関東ラインは信頼関係も厚く結束も固い最強のラインということを示したい」と自ら意気込むとおり、自らが所属する関東所属の選手には、神山雄一郎、武田豊樹などの名だたるトップが名を連ねる。スプリントやロードレースなどの自転車競技と違って、競輪は地区同士による言わばチーム戦。競輪ならではの駆け引きなどによる奥の深さが競輪の魅力という。
通常、競輪のレースで使用しているフレームのメーカーは「マキノ」。S級に昇格してから、マキノに乗り続けている。色はダークブルーで、セッティングには、かなりのこだわりをもち、細部を調整しながらベストのセッティングを模索している。
理想とする男性は、とんねるずの木梨憲武や所ジョージ。顔やファッションではなく、その生き方に憧れるそう。「自分をちゃんと持っていて、自由で平和な感じが好き。とにかく遊びを極めていて、ゆるっとテキトーに楽しんでいる感じもいい。将来的に、気持ちにも余裕ができて、二人のような生き方ができたら幸せ」だと語っている。
平原選手のホームバンク。高校生の頃から練習していることもあり、走りやすく親しみを感じると言う。地元のレースは、観客からのやじや声援も多いため自然と力が入る。負けたときにも、お客さんに向かって「次回は頑張ります」と心の中で答えているそう。ちなみに、大宮競輪場は、競輪の東日本発祥の地でもある。
人生のパートナーに選んだ女性は、一緒にいてリラックスでき、自分を自然に出せるらしい。競輪選手という職業を理解し、精神面や食生活などすべての面でサポートしてくれているので、その気持ちにも応えたいと考えている。奥様は料理上手で、「何を食べてもおいしいので、ありがたいです。」と照れ笑いしていた。
「プライベートでは、自転車には乗らない」と話すが、やはり自転車が大好きで、ロードレーサーを所有している。実際には乗らないが、部屋にはロードレーサーを飾り、眺めているそう。「かっこいいなぁ」と心の中で思いながら、一人でニヤニヤしていることも多いとか。
埼玉県狭山市出身。現在も埼玉に住み続けている。埼玉の良さは、「自然も多く、街道練習ができる場所も多いのが魅力」とのこと。さらには、交通の便もいいため、レースや遠征の移動でも前泊なしで行けることもメリット。「とにかく、競輪選手の環境としては完璧なところ。」
平原が目標とする選手の一人。武田は、同じ関東地区ということもあり、ビッグレースの決勝で連携することも多い。「武田さんは、レースに対する気持ちの入れ方が他の選手とは違う。一生懸命さが伝わってくるんです。一緒に走ると刺激にもなります。」プライベートでも食事に行くなど仲が良く、信頼関係も厚い。
ポータブルプレイヤーは、iPodではなく、ウォークマンを愛用している。移動中やレース前にも音楽を聞くことが多いそう。レースに向かう前、検車場で集中力を高めるために聞いているのは、ケツメイシやミヒマルGTなどのアップテンポな曲。気持ちを上げて、レースに臨む。
「日々精進、日々成長」 今年特別に何かをしたいわけではなく、常に、どうやったら強くなれるのか、勝てるのかを考えています。向上心を継続させ、日々成長できるよう、その気持ちを保ち続けて練習に励みたいです。
毎年念頭に掲げているのは、「去年より成長した1年間を過ごす」ということ。タイトル云々ではなく、常に進化して1年を終えることが目標です。日々の積み重ねが大切ですから、いろいろな経験をして、今年は昨年を上回る1年になるといいですね。