デビューしてからA級に昇格するまでなかなか勝つことができなくて、4ヶ月くらいかかってしまったんです。決して順調に昇格したわけではなかったので、自分の才能はこの程度なのかと感じることもありました。でも、競輪学校を卒業してからの練習量には自信があったので、いつかは花開くと自分を信じて地道にやってきましたね。
僕は、365日、競輪のことが頭を離れることはありません。切り離すことが必要だという人もいますが、この仕事をしていている以上、「(競輪から)離れたらあかん」と思っています。
だからこそ、気分転換をするときは意識的に気分を切り替えるようにしています。基本的に自転車に乗ることが好きなので、友達や仲間と一緒にロードレーサーに乗ってサイクリングのように走るだけでも楽しいですよ。
自転車に乗ること以外の楽しみは、週末、京都の丹後半島に建てたセカンドハウスで家族と一緒に過ごすことです。家族と釣りやバーベキューをしたり、僕が料理をふるまうこともあるんです。アウトドア料理が得意なので、ダッチオーブンを使っていろいろ作ります。自然の中にいることが好きだし、練習環境としてもいい場所なので、リフレッシュできますね。
S級S班18人はひとくくりにされますが、昨年のKEIRINグランプリに出場した9人の選手との力の差を感じています。S級S班というシステムができたことで、グランプリ出場へのチャンスが今まで以上に増えて、そのチャンスを逃さずものにできるよう一戦一戦のレースに挑むつもりです。僕の年齢を考えるとそうチャンスは多くないのも事実ですから。
「赤いレーサーパンツ」を履くようになった今も、「すべてのレースを一生懸命走ることが当たり前」だという気持ちは変わりません。どんな色のレーサーパンツを履いていても一生懸命やるだけです。
ただ、車券を買ってくれるお客さんからすれば、赤いパンツは強さを判断する材料にもなるし期待も大きい。その期待に応えられるよう精一杯走りたいと思います。